赤経/赤緯→方位角/仰角

戻る

天球上の天体の位置は赤経赤緯で表現されます。(例えばシリウスは 101.3°/-16.7°)
指定日指定時間に指定緯度でその天体を見た時の方位角と仰角を求める手法を説明します



直交座標(x、y、z)、空間極座標(r、α、β)、円筒座標(r、θ、x)の3種を併用します。
空間中の点をP、PからXY平面への垂線の足をQ、X軸への垂線の足をS、原点をOとします
直行座標では
x:西方向位置
y:南方向位置
z:天頂方向位置
空間極座標では
r:OPの
α:OQとX軸の成す角です(X軸方向が0、Y軸方向が+90°)
β:OPとXY平面の成す角です(天頂方向が+90°)
円筒座標では
r:PとX軸との距離
θ:SPとXY平面の成す角(y軸方向が0,z軸方向が+90°)
x:直行座標でのxそのものです



1)ある天体の赤経赤緯、観測日時、観測点経度緯度を与える
2)北極では(観測地経線を真南とし春分点が真西の時)その天体の方位角仰角=赤経赤緯
3)指定日時の方位角、仰角を求める(方位角変化は -15.0411°×上記時刻からの経過時間)
4)直交座標に変換する(計算式をシンプルにするため)
5)円筒座標に変換する(ここまでが北極での話)
6)指定緯度の観測点での座標を円筒座標のままで求める
7)直交座標に変換する(計算式をシンプルにするため)
8)空間極座標に変換する



1)シリウスの赤経赤緯は 101.3°/-16.7° 観測日時は1月1日21時、観測地はE135°N35°
2)(r,α,β)=(1, 101.3, -16.7) (赤経/赤緯に一致)
3)(r,α,β)=(1, 136.0, -16.7) (春分の日18時は春分点が真西ゆえ、そこからの経過時間)
4)(x,y,z)=(cos(β)cos(α), cos(β)sin(α), sin(β))=(-0.688, 0.665, -0.287)
5)(r,θ,x)=(√(1-x^2), atan(z/y), x)=(0.724,-23.36,-0.688) (@北極) 
6)(r,θ,x)=(0.724, 31.64, -0.688) (@北緯35度)
7)(x,y,z)=(x, r*cos(θ), r*sin(θ))=(-0.688, 0.617, 0.380) 
8)(r,α,β)=(1, atan(y/x), atan(z/√(x^2+y^2)))=(1, 138.15, 22.35) 最終解α,βを得る
より正確には、標準時を決める地点との経度差、春分の時刻などを考慮する



金星の見え方

金星と地球の公転